年末年始の恒例として、毎年楽しみにしているWIRED「THE WORLD IN」シリーズ。
カルチャー、テクノロジー、ビジネス、健康、環境など、全10分野にわたり、2024年の最重要となる考え方、最新のアプローチを知れる特集が「THE WORLD IN 2024」です。
今年も発売日に購入し、3時間ほどでいっき読みしました。
内容がおもしろいことはもちろん、自分がどんなことに興味を持っているかも確認できてよかったです。以下、特に気になったトピックと感想を紹介します。
気になったトピック
掲載された話題はどれも興味深く、新しい知識と気づきを多く得られましたが、なかでも次の15のトピックが気になりました。
- 「情報」から「体験」への大転換へ備えよ
- 氾濫する合成データがAIを「汚染」する
- Z世代の働き方はテトリスから「Roblox」型へ
- WIREDが選ぶ要注目のモビリティ / EV
- 有効性と安全性を意識したがん治療法の開発が進む
- 神経難病の早期発見につながる年に一度の嗅覚検査
- 未来への危惧が気候正義の力に変わる
- 電力を地下貯蔵する時代の幕開け
- 核融合発電が実用化に向け前進
- 持続可能な宇宙進出 / 宇宙ステーションのインテリアデザイン
- ディープフェイクがはびこる暗黒時代の到来
- 生体認証システムからプライヴァシーを守る闘い
- DAOが過激派たちの新たな温床となる
- ハッカー集団の先を行くAI開発が防御のカギとなる
- 自由で民主的なソーシャルメディアの終焉
上記の中で、AIのネガティブな側面、医療の進歩、環境・エネルギー問題に関する話題がより自分にとって興味深かったため、考えたことや感想を少し書きます。
AIによる情報汚染・高度な犯罪のリスク
2023年はAIの技術進化と民主化が進み、「ポジティブなAIの話題」が多かったように思います。実際わたしも、ChatGPTを日常的に活用するほど、便利さを実感しているひとりでした。(Mac用アプリも活用しています)
このAIについて、本誌では2024年以降に加速しうる「情報汚染」「ディープフェイク」「犯罪の進化」といった負の側面についての提言もいくつかありました。簡易かつ大量に偽情報を作り出せるようになったいま、犯罪への利用、誤情報を使った学習による情報汚染は、きっと止まらないでしょう。
AIの進化には不安もありますが、わたしたちの生活を便利なものにしてくれることも確か。きちんとリスクを知った上で、うまく付き合っていければと思いました。
また、AIの負の側面も知ったことで、今後は「体験」や「体験から得られた情報・考え」といったオリジナルコンテンツの価値が、もっと高まっていくことも確信しました。
信用でいきない情報が氾濫するからこそ「だれが言っているか」も重要で、行動できること、自分の意見や考えを表現できること、それによって信用を積み上げられることが、より重要なスキルになっていくんだろうなと思いました。
がん治療・難病検査の進歩
数年前まで理学療法士をしていたこともあり、医療におけるニュースには自然と注目してしまいます。今回は「がんにおける治療法の開発」「難病のスクリーニングの進化」に感動しました。
もっとも一般的ながんの治療法とされる化学治療は、がん細胞を死滅させながら健康な細胞にも影響を与えてしまう、諸刃のつるぎです。がんで亡くなった祖母も、PT時代に担当した患者さまも、みんな副作用に苦しんでいました。
これに対し、標的とするがん細胞を狙い撃つ治療の開発が進んでいる。こんなうれしいニュースはありません。臨床試験の成功を願うばかりです。
また、パーキンソン病やALSなどの「神経難病」の早期発見が、嗅覚検査で可能になる未来も見えてきました。将来、自分や家族が難病を発症しないとは限りません。簡易かつ安価に実行できる嗅覚スクリーニングが、より早く、広く普及することを願っています。
環境・エネルギー問題への取り組み
昨年から「脱炭素」「環境問題」に関するお仕事を担当することが増えました。環境・エネルギー問題について知る中で、個人的にも興味、関心が高まっています。
本書では「電力を地下貯蔵する時代の幕開け」「核融合発電が実用化に向け前進」「最新EV」というトピックも掲載されており、とても興味深かったです。クリーンでうれしいニュースに、未来が少し明るく見えました。
クリーンエネルギーの貯蔵・安定供給には「井戸」の仕組みが活用できるそうです。井戸は江戸時代ごろから使われていると聞いたことがありますが、まさか現代のエネルギー問題解決においても、その仕組みが使われるとは。すごい発明だったんですね。
WIREDが注目する最新のEVも素敵でした。車の購入予定はありませんが、来年はどこかで実物を見れるとうれしいです。
余談ですが、環境・脱炭素の学びを深めるため、冬季休業期間中には下記の2冊を読む予定です。WIREDで知識欲を刺激されたこともあり、読むのがたのしみです。
まとめ
2024年のテクノロジー・ビジネス・環境など全10分野のトレンドを知れる特集「THE WORLD IN 2024」の気になるトピックと感想でした。
少し先の未来を知っておくことで、変えられる考えや行動があると思います。事前のリスクを把握し、管理、行動することで、成果の最大化も目指せます。
本書の内容は仕事や趣味に活かせる部分がきっとあり、読む人、タイミングによっても楽しめるトピックは異なると思うので、ぜひチェックしてみてください!
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