自分は頭が固いな…と思うことが多々あります。
特にデザイン業界に飛び込んでからはそれが顕著で、どうにか頭を柔らかくするために新しい体験をしたり、難しく考えずにやってみたり、本を読んだりしていました。
それでもやっぱり、頭の固さはほぐれない。
理由としては、失敗=人の死に繋がる医療現場で働いていたこと、現場での挑戦=患者さんの時間(未来)を奪うだけの結果もありうるという、必ず石橋を叩かなければいけない環境で働いてきたことが関係しているのだと思います。
今回は、そんな頭の固い私が読んで良かったと思う2冊の本をご紹介します。
こんな人にオススメ!
- 固い頭・思考をほぐしたい人
- 狭い視野を広げたい人
- デザインやディレクションの仕事をする人
- 人と話が噛み合わないと感じることがある人
Contents
頭が硬い人に読んでほしい2冊
ご紹介するのは次の2冊。
『99.9%は仮説』は職場の上司からの推薦図書、『具体と抽象』は昨年都内で参加した読書会でUXデザイナーさんが紹介していた本でした。
99.9%は仮説
科学作家・竹内薫さんの著書です。
職場の上司から「今の私が読むべき本」として推薦してもらったのがきっかけで読みました。
科学をもとに「常識はすべて仮説である」ことを学ぶ
科学に関する話題をもとに、世の中で「常識」「定説」とされているものは「すべて仮説」だということを学び、凝り固まった固定概念・常識をほどいていくような内容です。
ページを開いたその瞬間から頭の固さを試され、読み進めていく中でも何度か質問を投げかけられます。最初は「この答えに違いない」と思って答えるのですが、回を重ねるごとに「この方向もあるのかな?」「答えはないのでは?」と自分の考えを疑うようになっていくのを実感しました。
古い仮説を倒せるのは、新しい仮説
本書の中で特に印象深かったのは、「古い仮説を倒すことができるのは、その古い仮説の存在に気づいて、そのうえで新しい仮説を考えることができる人だけ」という部分。
今まで最も正しい仮説だと思われていたことも、新しい仮説が出てくれば間違いに変わる可能性がある。大切なのは、自分の頭の中が仮説だらけであることに気づき、その仮説に新しい仮説をぶつける検証を重ねること。
正解のない「デザイン」という仕事をする上で、とても重要な考え方を学びました。
具体と抽象
続いてご紹介するのは『具体と抽象』。
昨年参加した都内の読書会でUXデザイナーさんが紹介していた本で、99.9%は仮説を読んだ後に「さらに視野を広げたい」と思って購入しました。
具体と抽象の世界を行き来する
具体 | 抽象 |
---|---|
・直接目に見える ・「実体」と直結 ・一つ一つ個別対応 ・解釈の自由度が低い ・応用が利かない ・「実務家」の世界 | ・直接目に見えない ・「実体」とは一見乖離 ・分類してまとめて対応 ・解釈の自由度が高い ・応用が利く ・「学者」の世界 |
一般に「具体=わかりやすい」「抽象=わかりにくい」というイメージがあり、抽象的なものは否定的に扱われることが多いですが、複数のものの共通点を抽出してグルーピングできる抽象化能力は人間のすごいところ。
段階や場面に応じて「抽象」と「具体」の視点を切り替え、さらにその自由度をコントロールすることでコミュニケーションや仕事がより円滑に進められることを学びました。
計画と行動における抽象・具体の違い
計画や目標設定においては、抽象視点で理想やコンセプトを設定し、そこに向かっていくのに必要な行動などを具体視点で設定していくという「具体と抽象のセット」で進めると上手くいきやすい。
具体 | 抽象 |
---|---|
・短期的 ・すぐに行動可能 ・解釈の自由度が小さい ・適用範囲が狭い ・結果の是非判断容易 ・感情に訴える | ・長期的 ・行動への翻訳必要 ・解釈の自由度が大きい ・適用範囲が広い ・結果の是非判断困難 ・感情に訴えない |
どちらかが欠けていると、「明確な目標もなく作業をこなす」「目標に対しての適切な行動が起こせない、積み重ねられない」という状態になったりするので、やっぱりどっちも必要であり、デザインや独学においても同じことが言えると納得できました。
まとめ
今回は頭の固い人にぜひ読んでほしい2冊の本をご紹介しました。
『99.9%は仮説』と『具体と抽象』を読んだことで、自分の中での常識や固定概念はただの仮説であり、狭い視点でしか物事が見れていなかったんだなと思いました。
1度読んだだけで頭が柔らかくなったと言うと大げさですが、間違いなく「考えるきっかけ」ができ、今までとは違う視点で世界を見たり、思考したりすることができるようになったと思うので、これからどんどん頭が柔らかくなっていくことを期待したいです。