「あなたの強みは何ですか?」
そう聞かれてすぐに答えられない人は多いと思います。
人はだれしも強みを持っていて、それは認識することでより活用しやすくなります。転職や仕事、生活にも役立てれば、きっと人生の充実度も高まります。
この記事では、自分の強みを知るツール「ストレングス・ファインダー 2.0」について紹介します。
Contents
ストレングス・ファインダーとは?
ストレングス・ファインダーとは、オンライン上で質問に回答することで、「自分の才能」を診断できるツールです。アメリカのコンサルティング会社、ギャラップ社が開発しました。
診断できること
ストレングス・ファインダーで診断できる「才能」は34の資質に分けられ、自分の強みとなる傾向がある資質のうち、上位5つを判定できます。(追加課金によって34すべての資質を知ることもできます💡)
診断後には、次のような図とアセスメントが得られます。
上位5つについての特徴をまとめたレポートもダウンロードできます。
診断方法
診断は次のどちらかの方法で、アクセスコードを入手して行います。(有料です)
書籍には1回だけ使えるアクセスコードがついています。中古を買うとコードが使用されていてる可能性が高いので、新品を購入しましょう。
わたしはAmazonで書籍を購入して診断しました。
自分の強みを知るメリット
自分の強みを知ることで、次のようなメリットがあります。
- 仕事の選択や転職に役立つ
- 働き方・学び方を工夫できる
- 苦手の受容と対策ができる
仕事の選択や働き方、学び方、自己理解など、さまざまな面で役に立ちます。結果として、より生きやすく、人生の目標達成に近づく可能性も高まるでしょう。
以下、各メリットについて紹介します。
仕事の選択や転職に役立つ
自分の強みを知っていれば、どんな仕事が自分に向いているかがわかります。就職や転職を考えている場合は職業、会社を選択しやすく、より自分の力を活かしやすい環境で働ける可能性が高まります。
面談の機会があれば、過去のエピソードなど具体的なストーリーを交えて自分の強みをアピールすることで、より採用の可能性が高まるでしょう。
苦手を克服したり、挑戦したりする機会もときには必要ですが、人生において大量の時間を投入する「仕事」の選択には、苦手より強みを活かせる選択がオススメです。
働き方、学び方を工夫できる
いますぐ就職や転職を考えていなくても、自分の強みを活かして今の職場での役割や働き方を工夫できます。新しいスキルや経験を身につけたいときも、学び方を工夫することで学習効率が高まります。
たとえば、わたしはひとつのことを極めるよりも、複数のことを同時に進めるのが得意です。また、目的の達成に向けてやることの優先度を整理したり、1回の行動で何倍もの成果を上げるにはどうすればいいか?などを考えるのが好きで、これも得意と言えます。
いま所属しているデザイン会社には「デザイナー」として就職し、約2年半働いてきましたが、昨年からデザイナーという肩書き1本で働くことに違和感を覚えていました。その頃、「自分はマーケティングが好きで、それも仕事としてやってみたい」ことにも気づき代表に相談したところ、こころよく受け入れてもらえました。(むしろ向いてると思うと言って応援してくれた)
それからすぐ、週5日あるうちの3日はデザイン、2日はマーケティングの業務をすることになり、マーケターとしての一歩も踏み出しました。
話が長くなりましたが、このように自分の強みとやりたいことが見えれば、働き方を変えることが実際に可能です。
苦手の受容と対策ができる
診断でわかる「強み」は「苦手」と表裏一体です。
たとえば「慎重」の資質が強い人は、確認や見直しがしっかりでき、大きなミスを犯すことが少ない長所があります。その反面、行動に起こすのが遅い、チャレンジがしにくいといった短所もあります。
そのような強みと苦手を知っていれば、それに対する対策や心構えができ、その資質をおぎなえる人に頼ることもできます。
わたしは苦手を克服するよりも、その部分を強みとしている人を見つけ、助けてもらい、逆にその人が苦手なことを手伝える関係性の構築を優先しています。
いまの所属先ではそれができているので、毎日が楽しく、会社とみんなが成長していく状況が楽しくてたまらないです。苦手や得意を共有しあって成長できる関係性がとても心地よく、ありがたく思っています。🙏
実際の診断結果
最後に、わたしの診断結果を紹介します。
ストレングス・ファインダーによって得られる結果と、自己理解を進めるプロセスの一例として見ていただければと思います。
上位5つの強み
強みとなる傾向がある資質のうち、上位5つは以下。
- アレンジ(実行力)
- 最上思考(影響力)
- 適応性(人間関係構築力)
- 戦略性(戦略的思考)
- ポジティブ(人間関係構築力)
どこかで突き抜けるタイプというよりは、バランスタイプっぽいです。上位5つの強みをまとめると、次のような特徴が見えてきます。
深く考えるよりも先に実行するけど、頭の中には目的やビジョンがあり、たくさんのパターンを想定している。その中で最適な選択肢やルートを一応は決めるが、計画通りに進まなくても、今が楽ければそれでいい。不慮の事態が起こることを内心では求めている。うまくいかないことも楽しめるポジティブな人間。
以下、各資質の特徴です。
1. アレンジ
「アレンジ」の資質が高い人は、多くの物事を整理し組織化することができると同時に、この能力を補完する柔軟性も備えています。すべての要素と資源をどのように組み合わせたら、最高の生産性を実現できるのかを考えるのが好きです。
アレンジは、多くのことを一度に考えること、柔軟性に富んだ資質です。単純なことから複雑なことまで、いつも最善の「構成」を探します。
特に変化の激しい状況でこそ、ベストを発揮できる資質です。予期せぬ事態にも柔軟に対応でき、むしろ混乱の中に飛び込み、新しい選択肢を工夫し、よりよい新たな道を探し求め、新しい協調関係を見つけ出します。「もっと良い方法があるかもしれない」と常に考えているのが、アレンジの特徴です。
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これめちゃくちゃ当たっていて、超合理主義な性格の根底にある資質かもと思っています。決められたルールや「みんながそうしてるから」といった概念に縛られるのが苦手で、「もっといい方法があるかも」を常に考え、行動しています。自分や組織が持つリソースを最大限に活用して、最高の成果をあげる方法を考えるのも大好きです。
ただ実際はリスクをとってでも最善の結果をとりにいくため、計画をひっくり返して人を振り回す面もあります。それを楽しんでくれる人ならいいですが、ストレスを感じる人もいるのでフォローが必要です。
また、「それはいらない」とか「それはいまじゃない」など、自分の頭の中では整理して道筋が立っていることに対して、理由や背景の説明を省いて他者に伝えると、冷酷で気まぐれな印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、人と行動や仕事をするときは、説明やフォローを欠かさないよう意識しています。
2. 最上思考
「最上志向」の資質が高い人は、個人や集団の卓越性を高める手段として、強みに注目します。そして強みを利用して、平均的ではなく最高の水準を、個人ないしは集団において追求します。単なる強みを、最高レベルのものに変えようとします。
優秀であること、平均ではなく。これが最上思考を持つ人の基準です。平均以下の何かを平均より少し上にことより、平均以上の何かを最高のものに高めることに胸が躍ります。
自分や他人の強みを見つける力があり、それを伸ばし、磨きをかけ、80点から100点、さらに120点にすることを好みます。強みを伸ばした方が楽しく、実りが多いと考えているため、弱点を克服させようとする人は避ける傾向があります。
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これもすごく当たっています。いいものをよりよくするのが好き。
たとえば、いまの職場で私はモーショングラフィックスのスキルを身につけたのですが、それは「いいグラフィックを作ってくれるメンバーがいる」「ウェブにも活用すれば実装してくれるエンジニアさんがいる」のが前提でした。尊敬できるメンバーがいるから、もっとその力を活用したい。会社の出力を最大化したい、成果を底上げしたい。そんな気持ちからはじめたところがありました。(あとは自分の生存戦略のためとか)
また、人の長所を見つけるのも好きです。自分の短所ばかりが見えてしまう人は多いですが、話をしていると全然そんなことはなくて、いいところ、磨くべきところがきっとあります。それを見つけて応援する、方法を一緒に考えるのも大好きです。
ただ、「平均以上のもの」「優秀であること」を求めるがゆえ、人を選別していると見られることもあります。また、自分の弱点を指摘してくれる人を無意識に避けるため、人付き合いや人脈が限られ、視野が狭くなる可能性も持っています。そのため、ふだんから人の意見に耳を傾けること、いろんな人と会うこと、相手のことを知ろうとすることを意識しています。
3. 適応性
「適応性」の資質が高い人は、流れに沿って進むことを好みます。「今」を大切にし、それぞれの時点で進む方向をひとつずつ選択することにより、将来を見極めます。
適応性の資質を持つ人にとっては、今この瞬間が最も重要です。未来は今、自分が行う選択によって変わっていくものだと考えています。つまり、それぞれの時点で進む方向を一つずつ選択することにより、将来を見出します。
計画性がないと思われることもありますが、計画は一応立てています。ただそれがすべてだとは考えておらず、そのときどきの状況を楽しみ、適応していきます。
生まれつき大変柔軟性のある人が多く、仕事でもプライベートでも、同時にいくつものことに注意を払わなければならない場合でも、常に生産性を保つことができます。
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柔軟に物事に対応できるところは「アレンジ」とも似ていますが、それよりも「今」に重点を置いているところが適応性の特徴と言えそうです。これもめちゃくちゃわかる。
未来は今の積み重ねでしかなく、いま意味があることをやる。SNSや動画をダラダラ見るのは楽かもしれませんが、その積み重ねの未来ってなんだろう?いい未来ある?ないよね?じゃあブログ書いた方がいい、手帳やノートで自分の思考整理した方がいい、やりたいことや理想を考えた方がいい、仕事した方がいい、暮らしや体験を楽しんだ方がいい。みたいな思考で生きています。
理想やビジョンを先頭に置いて、そこにいたるまでの過程を楽しみつつ、実現していく、イレギュラーも楽しむ。そんなトップダウン的な生き方は、この適応性が強く影響してそうです。
ただこれにも注意すべきところはあって、デンジャラスな状況も「今」として楽しむため、昔から骨折などケガが絶えませんでした。それに対しても「貴重な経験ができた!今を、骨折生活を楽しもう!」とちょっとやばい思考。
また、「今」に重点を置くあまり、「死んだらそこまで」「そのときはそのとき」といった考えが強いです。自分はそれでもいいけど、周りの人はどうだろう?どう思う?迷惑がかかるかも。そんなふうに少しずつブレーキをかけることを日頃から意識しています。
4. 戦略性
「戦略性」の資質が高い人は、目的に向かうための選択肢を想定することができます。いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができます。
戦略性の資質を持つ人は、いろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見できます。これは学習できるスキルではなく、物事に対する特殊な見方、特異な考え方だそうです。
あらゆる選択肢のシナリオの最後まで想像し、常に「こうなったらどうなる? じゃあ、こうなったらどうなる?」を自問し、この繰り返しによって先を読むことができます。
そして、起こりうる障害の危険性を正確に予測し、行き止まりの道、抵抗の多い道を切り捨てます。その中から選ばれた道、自分の目的にたどり着くまで、選択と切り捨てを繰り返します。
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さまざまなパターンを考えるクセがあるので、これも上位資質として当てはまっていると思います。適応性のところでも書きましたが、まず自分の目的や理想をはっきりさせ、そこに向かって選択を繰り返す。危ない道がいま進む道として最適なら、苦労やリスクをとってその道を選択する。
この戦略性があったから、前職の理学療法士からデザイナーに転職するまで、ほとんどつまずくことなくキャリアが形成できたのかもしれません。(もちろん技術的な面ではめちゃくちゃ苦労したし、いまも壁にぶつかりまくりです、これはもうやるしかない)
プライベートでも「駅のホームのどこに立てば、一番早く帰れるか?」「改札が車両に対して左側にあるから、右側に立ってた方が人が降りてこない、乗り込みやすいな」とか、些細なことでも無意識に選択をしています。😂 うまくいかなければ原因を分析し、次はこうしてみよう!とPDCAを回すのも大好きです。
反面、戦略性が強すぎる人は「行動できない」可能性が高まる可能性があります。わたしは「行動力」の資質である「アレンジ」が強みの第1位にあるので不自由はしてないですが、選択肢やパターンが見えすぎるあまり、先に進めない。リスクを取れない。「戦略性」の資質は、行動とセットで活かせるとより強みを強化できるかもしれません。
5. ポジティブ
「ポジティブ」の資質が高い人は、情熱的であり、しかも自然にその熱意を人に分け与えることができます。生き生きとしており、他の人たちに活気を吹き込み、やる気を起こさせることができます。
ポジティブの資質がある人は、人をよくほめ、よく笑い、どんな状況においても常にポジティブな面を探します。楽天的な人とも言われます。
熱意を人に伝染させ、どんな進歩も祝福します。どんなことでもよりエキサイティングで、より生き生きとしたものにする方法をたくさん考え出します。
生きていることは素晴らしいという信念、仕事は楽しいものにできるという信念、どのような障害があろうと人は決してユーモアの精神を失ってはならないという信念から、どうしても逃れられない人です。
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「ポジティブ」「楽天家」はどんな診断を受けてもだいたい出てくるので、これも上位資質として納得でした。
ほとんどすべてのことをいい方向に考え、受け止めるところがあります。人から見れば「失敗」でも、自分にとっては大切な「経験」で「財産」。やらなくてよかったことなんて一つもなくて、人生における後悔もない。最近イヤだったことは?と聞かれても、しばらく考えないと出てこないぐらいです。
ただ、人よりポジティブが過ぎるあまり、相手をイラつかせてしまったり、不安にさせてしまう場面もあります。そのため、相手の気持ちを考えたり、空気を読むことが必要です。
まとめ
自分の強みを見つける「ストレングス・ファインダー」の紹介でした。
わたしの診断結果を紹介する部分でもお伝えしましたが、強みとなる資質にはメリットとデメリットがあり、表裏一体です。
また、資質の組み合わせによって弱点を補ったり、強みをより強化することもできます。上位の資質を受けとめ、診断結果を分析し、うまく活用して仕事や転職、人生をよりよくしていきましょう。
ストレングス・ファインダーは以下のサイトでアクセスコードを購入するか、書籍を購入して手に入れたアクセスコードを使って診断できるので、ぜひやってみてください。