自分らしい言葉で話したい。変にかっこつけることなく、等身大の表現がしたい。ありのままの自分を見せたい。

そう願いながらも、書きはじめると「もっとわかりやすく」「そんなん誰の役にも立たないよ」「もっと有益なことを書きな」と内側から指摘が入る。少しためらって、そうだねと書き直す。そうして世に出た文章は、他人から読まれるし、役に立つのかもしれない。

でも、それは本当に自分が書きたいことなのか?人のためを繰り返すうちに、自分がなくなっていく。書きたいことが、書けなくなっていく。書くことがつまらなくなっていく。

この記事は、「自分を理解し、愛するために書こう」と言ってくれる土門蘭さんの著書『ほんとうのことを書く練習』を読んで感じたこと、思ったことのメモです。

いい意味で、思ってたんと違った

黒と赤のダークな色の表紙に「お説教系かな?強めの自己啓発かな?」とやや身構えつつ、たぶんはじめての土門さんの著書を読み進める。

デスクの上に書籍『ほんとうのことを書く練習』と日記帳、ペンが置かれた写真。

そしたら、なんとあったかいこと。読み進めるたびに、安心感が大きくなっていきました。

  • 自分を愛そう
  • 書くことは自分を愛すことだよ
  • 書く自分、読む自分を大切に育てよう
  • うまく書けない自分がいても、子どもを見守るように褒めて、やる気を出させてあげよう

上記のような、やさしいメッセージが詰まっていました。心底あったかい本、あったかい人だなあと思いました。

ひとつひとつの言葉を大切に、正直に書いてくれているのがちゃんと伝わってくる。言葉を扱うプロである土門さんも、本当のことを書くのが怖いという。

ページをめくるたびに、自分を大きく見せたり、スッピンを隠したりする必要はない。そう感じて、自然と力が抜けていきました。

自分に愛されていない人の言葉

目を背けたくなるような、ドキッとする言葉もありました。

自分に愛されていない人から出る言葉は、どこか化粧くさい匂いがする。愛してほしい、褒めてほしい、認めてほしい。自分に愛されていないから、代わりに誰かに愛されたい。そんな自意識に包まれている。

恥ずかしい。図星だ。うまく隠せているつもりでも、読者は気づいている。わたしは自分のことが好きだと自負があったけど、無意識の行動に、本質がにじみでているのかもしれない。

自分自身がよくわかっているはずだ。そんな言葉を繰り返し書いていると、一番近くにいる自分が、一番自分を信じられなくなる。それこそが何より悲しいことだ。

わかる。自分の言葉じゃない言葉を使うたびに、自分が信じられなくなる。本当は何を思っているのか、わからなくなっていく。自己欺瞞に陥る現場を、だれよりも近くで見ている自分がいる。

大切な人、信じていた人にうそをつかれると悲しい。信じたいし、信じてほしい。それは自分の中にいるもうひとりの自分も同じこと。だれよりも近く、一生そばにいる読者=自分を失望させないためにも、本当のことを書かなきゃいけないんだと思いました。

『ほんとうのことを書く練習』の実物を手に持った写真

読むだけでは変われない

振り返ってみると、ここ数年のうちに本書を含め5冊ほど「自分の言葉で書く・話す」ことの大切さや方法を教えてくれる本を読みました。

  1. ほんとうのことを書く練習
  2. いい音がする文章
  3. さみしい夜にはペンを持て
  4. 私らしい言葉で話す
  5. 書く人の教科書

読み終えるたびに「本当のことを書こう」と決意。うまく書けなくてもいい。自分を変える一歩として、ブログやSNSの文章を書いてきました。

でも、書き終えてしばらくすると、また「もっと有益なことを…」と考えてしまう自分がいるんです。しみついた思考のクセは、簡単に変えられないみたいです。固定観念というのですかね。

でも、抗いたい。変わりたい。だから繰り返し、本に救いを求めている。

ここからわかるのは、どれだけ本を読んで感銘を受けても、決意しても、すぐには変われないということ。行動し続けることでしか、自分を変えられないのです。

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

よく聞く言葉ですが、わたしは「心を変える」より「行動を変える」ほうが早いと思う。

ひとつひとつの行動は小さくていい。SNSに投稿する文章、ブログで取り扱う言葉やテーマ。なんでもいいから、まずは自分の自由を奪うのをやめて、自由に書かせてあげる。そうして行動を変える中で、心が変わっていく。また心の変化に伴って、未来の行動も変えられる。そう信じています。

この記事はその一歩ですが、きっとまたすぐに忘れてしまうので、ふせんに「本当のことを書く」と書いて手帳に貼っておこうと思います。

明確にわかるのは「自分がどう思ったか」だけ

他人の役に立つことは、自分のよろこびでもある。

それは実際そうなのですが、他人のためにと書いた文章が本当に相手に響いているか、どう思われているかは、実際わかりません。感想を言ってもらえたとしても、お世辞かもしれないし、本音とは限らない。

はっきりわかるのは、「自分がどう思うか」ということ。だとしたら、変えられない他人の反応をコントロールしようとするのではなく、一生連れ添っていく自分を尊重したい。本当のことを書いて自分を理解し、大切に尊重したい。そう思いました。

「なんて自己中なんだ!」と思う人もいるかもしれません。わたしもほんのりそう思っています。でも、自分を大切にできない人に、本当の意味で他人を大切にすることはできません。物理的にとか、権力的にとかじゃなくて、ただ自分を信じ、自由にさせてあげられる状態。心から他人にやさしくするには、それが必要なんだと思います。

残りの人生、本当のことを書くことで自分を大切にしながら、ついでに人の役にも立てたらうれしい。本書を読み終えた今は、少し肩の力が抜けています。

わたし的・関連書籍

『ほんとうのことを書く練習』を読んで、自分的に関連書籍だと思った本を紹介します。過去に読んでよかった本を中心に掲載しています。

▼20代後半の頃、自分のためにも他人のためにも、自分にうそをつかずに生きたほうがいいと思えた本。本書を読んでいる最中にふと思い出しました。

▼ビジネス版も発売されているみたい。これはちょっと読んでみたい。

▼扱う言葉を大切にしようと思えたビジネス書。

▼以下、記事のなかで紹介した本です。

以上、わたしの本当のことでした。
あなたも本当のことを書いて、自分を大切にしてください!

ABOUT ME
Fuyuna
都内のデザイン会社勤務のディレクター・エディター|元デザイナー・元理学療法士|三重県出身|インテリア・本・週末のカフェモーニングが好き